精神世界とは「宗教的なものではなく文化のことだ」

 音楽を含む芸術はコロナ禍を克服できるか。「最も大事なのは健康で、2番目に経済だ。キャリアを始めたばかりの若い人々が生活できない状態に陥ってはならない。3つ目に、精神的な世界を無視してはならない」
  精神世界とは「宗教的なものではなく文化のことだ」という。「生きる上で精神世界がいかに必要なものか、無視されてきた。(感染拡大による行動制限措置で)劇場やコンサートホールが閉鎖されたとき、これらの存続の重要性がきちんと理解されていなかった」
 そんな現状は、コロナだけのせいではないと考える。「1980年ごろからテクノロジーの進歩や経済の変化の半面で、精神世界がないがしろにされてきたように思う」。この傾向が「コロナによって顕著になったのではないか」。

出典:日本経済新聞 令和3年5月10日朝刊

非接触型の生活になってきた今の世。人と人との関わりが希薄になってきています。それがDXによって、より一層加速していると感じています。

システマチックに効率だけを重視するのも、それはそれでつまらなさを感じます。DXを進めた先に、コンピューターではなく人ならではのコミュニケーションを重視した高度な関わり方ができるかどうか、そういったスキルも今後必要になってきます。

人は感情の生き物。理性や効率だけでは息が詰まります。芸術や文化を嗜みつつ、コロナ禍のなか、また、コロナ後の世で新たな精神世界を形成できるか、そういったコミュニティを作り上げる、参加する、支援するなども一興かなと思います。

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