令和8年度労働・社会保険関係法令の主な改正点

法令改正

主な内容を掲載しますので、改めてご確認ください。

(以下『月刊社労士』より引用)

令和8年4月1日施行

雇用保険料率の引き下げ

 令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で1000分の13.5とされる。令和7年度(1000分の14.5)から1000分の1下がる。

子ども・子育て支援金徴収開始

 医療保険の加入者から徴収を開始する「子ども・子育て支援金」について、被用者保険の支援金率は一律で0.23%とされた。令和8年4月分(令和5月給与天引き)から医療保険料とあわせて労使折半で徴収される。

◇ 在職老齢年金の支給停止調整額引き上げ

 在職老齢年金の支給停止調整額(法定額)が48万円から62万円に引き上げられた。令和8年度に適用される支給停止調整額は、名目賃金の変動によって改定され65万円となる。

◇ 年金額改定と報酬比例部分への配慮措置

◇ 厚生年金の離婚分割の請求期限伸長

 離婚時に婚姻期間に係る厚生年金の保険料納付記録を分割することができる「離婚分割」の請求期限について、民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が2年から5年に伸長されることに伴い、同じく2年から5年に伸長する。

◇ 被扶養者認定の年間収入算定対象見直し

 健康保険の被扶養者認定における年間収入の算定において、「労働条件通知書」等の労働契約内容がわかる書類に記載のある賃金から見込まれる年間収入が基準額(130万円など)未満であり、他の収入が見込まれず、被保険者の年間収入の2分の1未満などの要件を満たせば、原則として被扶養者に該当するものとして取り扱う。算定対象となる収入から所定外賃金が除外された。

◇ 男女間賃金差異及び女性管理職比率の公表

 常時雇用する労働者数301人以上の事業主に公表が義務づけられている男女間賃金差異について、同101人以上の事業主に対象を拡大するとともに、新たに女性管理職比率についても同101人以上の事業主に情報公表を義務づける。

◇ 高年齢者の労働災害防止の努力義務

 高年齢者の労働災害の防止を図るため、事業者に対して、必要な措置を講じる努力義務を課す。

 雇用者全体に占める60歳以上の高年齢者の割合は19.1%(令和6年)。

 労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の高年齢者の割合は30.0%(同)

 「墜落・転倒」、「転倒による骨折等」が、加齢に応じて著しく多くなっている。特に65歳以上の女性が増加傾向にある。

◇ 治療と就業の両立支援の努力義務

 職場における治療と就業の両立を促進するため、事業主に対して、必要な措置を講じる努力義務を課す。

 通院しながら働く労働者の割合は40.6%(令和4年)

 過去5年間に疾病に罹患した労働者のうち退職した割合は25.4%

令和8年7月1日施行

◇ 障害者雇用率の引き上げ

 民間企業の障害者雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられる。

令和8年10月1日施行

◇ カスタマーハラスメントの防止

 職場のカスタマーハラスメントを防止するため、雇用管理上の措置を講じることを事業主の義務とする。

◇ 求職者等に対するセクハラの防止

 求職者に対するセクシャルハラスメントを防止するため、雇用管理上の措置を講じることを事業主の義務とする。

◇ 社会保険の賃金要件の撤廃

 特定適用事業所における短時間労働者の加入要件の1つである「月額8.8万円以上」の賃金要件が撤廃される。なお、令和7年度の最低賃金の改定により、全国どこでも最低賃金で週20時間以上勤務すれば自動的に賃金要件を満たす状況になっており、事実上は撤廃されていた。

◇ 国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料免除

◇ 社会保険の短時間労働者への支援措置

◇ 同一労働同一賃金ガイドラインの拡充

 働き方改革関連法の施行後の裁判例等を踏まえ、ガイドラインに退職手当、家族手当、住宅手当などを新規追加するなど記載を拡充し、職務の内容等の違いに応じて均衡のとれた待遇が求められることなどをさらに明確化する。

◇ 雇い入れ時の労働条件明示事項の追加

 事業主に対し、待遇に関する説明を求める短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者が少ない状況を踏まえ、短時間労働者等の雇い入れ時の労働条件明示事項に「通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由等に関する説明を求めることができる」旨を追加する。